消化器内科・肛門科
消化器内科
下記の症状がある方はご相談ください。
胸やけがする
のどに違和感がある
胸が痛い
吐き気がする
嘔吐した
胃に不快感がある
胃がキリキリ、チクチクする
食欲がない
便秘がちである
腹部膨満感がある
下痢が続く
血便が出た
黄疸(皮膚が黄色い、白目の部分が黄色い)
健康診断で異常を指摘された(検便で引っかかった、ピロリ菌陽性、肝機能異常など)
体重が減った
消化器内科で扱う主な対象疾患
• 逆流性食道炎
• 急性胃腸炎
• 慢性胃炎
• 胃・十二指腸潰瘍
• ピロリ菌感染症
• 機能性胃腸障害
• 急性虫垂炎
• 憩室炎
• 虚血性腸炎など
• 便秘症
• 下痢症
• 過敏性腸症候群(IBS)
• 胃癌
• 大腸癌
• 肝癌
• 胆嚢癌
• 膵臓癌 など
• クローン病
• 潰瘍性大腸炎
• 脂肪肝
• 急性肝炎
• 慢性肝炎
• 肝硬変
• 胆石症
• 胆嚢炎
• 胆嚢ポリープ
• 急性膵炎
• 慢性膵炎
• 食道癌
肛門科
肛門周囲の代表的な疾患
• 痔核(内外痔核、血栓性外痔核)
• 裂肛
• 痔ろう
• 肛門周囲膿瘍
• 肛門ポリープ
• 肛門がん
肛門疾患を専門的に診療しています。主な疾患は、切れ痔・いぼ痔・痔ろうや肛門周囲膿瘍です。いぼ痔(痔核)や切れ痔(裂肛)は早期に治療を受けることで、楽に治すことができます。また、座るのも痛い肛門周囲膿瘍は真っ赤に腫れ上がります。早急に切開、排膿することで症状はみるみる内に改善していきます。痔ろうが原因の可能性もありますので、MRI検査や大腸カメラの追加検査が必要です。また、痔であると思っていたものが肛門ポリープや肛門癌といった疾患である可能性も少なくありません。そうした疾患の早期発見のためにもできるだけ早めに受診してください。
痔の日帰り手術:ジオン注射(ALTA療法)
—切らずに注射で治す、いぼ痔の治療方法—
内痔核(いぼ痔)に対してALTAを注射することで痔核を固めてしぼませ、脱出や出血症状を改善する画期的な硬化療法です。外来で受けられる日帰り手術として行われますが、切開をしないため出血といった術後の合併症リスクも最小限に抑えられます。注射だけで内痔核が治せるということからメディアでも画期的な治療法としてたびたび取り上げられています。
内痔核のうち進行Ⅱ度~Ⅳ度の内痔核治療に適しています。治療自体の痛みはほとんどなく、出血や脱出を改善できますが、10%程度の方に初期無効例や再発が認められます。局所麻酔のみで治療自体の痛みがほとんどなく、出血や脱出を改善できることで注目を集めています。注射で用いるのは、硫酸アルミニウムカリウム水和物やタンニン酸という薬剤で、痔核の4ヶ所に直接注射します。外科手術後の主な合併症である術後出血がほとんどなく、日帰りで受けることができるというメリットがあります。これまで20万人以上の治療実績がある治療法であり、保険での治療が可能です。
内痔核でお困りの方のうち
以下の方にジオン注射による治療をおすすめしています。
• 排便時に出血することがある。
• 排便時に痔核が脱出することがある、あるいは脱出したまま戻らない。
• 上記の症状がある方で、坐剤や軟膏の治療で充分な治療効果が得られない方
以下の方は、ジオン注射が受けられません。
・妊娠中または授乳中の方
・透析を受けられている
・前立腺がん等で放射線治療の既往歴がある
・潰瘍性大腸炎の方
・嵌頓痔核の方
<ジオン注射の流れ>
治療前に局所麻酔を行います。また、静脈麻酔も追加します。
麻酔の効果を確認してから、ジオン注射の治療を行います。
四段階注射法を用い、ひとつの痔核に対して4ヶ所に分けて注射していきます。麻酔注射からジオン注射による治療終了までは30分程度です。
治療効果に関して出血については、ジオン注射終了後2~3日程度たつと止まっていきます。
脱出については、個人差があり、早ければ翌日から脱出しなくなりますが、長い方では効果が出るまで1ヶ月程度かかる方もいます。
<治療によるメリット・デメリット>
メリット
・内痔核が肛門から脱出してしまう「脱肛」を伴う内痔核が、切開を行う手術をせずに、注射だけで治療できることが最大のメリットです。
・日帰りで受けられるため入院の必要がなく、仕事や家事などの日常生活に対する影響を最小限に抑えられます。
・切開をしないため、術後の痛みや出血が基本的にありません。
・短時間で治療が終了するため、身体だけでなく精神的な負担も軽減されます。
・健康保険が適用され、入院も必要ないため、経済的な負担も軽減できます。
デメリット
・脱肛する内痔核全てを治すことができるわけではありません。状態によっては手術以外での治療が困難なケースがありますし、手術とジオン注射を組み合わせたハイブリット治療(E on ALTA)が望ましいケースもあります。
・この治療を受けた方のうち、約10%が術後に再発します。また、治療したところとは違う部位の痔核が大きくなり、異所性に再発する場合もあります。
<術後の注意点・副作用(偶発性・危険性)について>
治療自体は日帰りで受けられるジオン注射ですが、手術後は静脈麻酔の効果をしっかり覚ますため、1時間ほど院内で安静にお過ごし頂いてからの帰宅のご案内となります。そのため当院では短期滞在手術等基本料1を適応いたします。帰宅されてからは安静に過ごす必要があります。2日程度は、自宅で安静を保つことが望ましく、術後2週間程度は、激しい運動、飲酒などを控えて頂く必要があります。
副作用
術中、術後は血圧低下や徐脈がみられることがありますのでモニター管理し対応いたします。注射部位が腫れたり痛んだりすることがあります。腫れは肛門部分が重いような感じを持つケースや肛門が狭くなったような感じがして「便が出づらい、残便感がある」と言われる方もいます。これらの症状はやがて自然に改善しますが、腫れは、時にいぼ状に残る場合があります。また、術後の出血はあまり経験されませんが、直腸に潰瘍をきたし出血することがあります。潰瘍は治るまでに1ヶ月から半年程度かかる例もありますが、ほとんどの例で自然に軽快します。気になる症状が現れたら、早めにご相談ください。
<手術費用について>
保険診療で日帰り手術となります。
1割負担で約8000円
3割負担で約2万3000円
痔の日帰り手術:結紮切除術(ligation and excision : LE)
—根治性の高い、メスを入れる手術—
表面麻酔(エムラクリーム)+局所麻酔にて行っております。切除する痔核根治手術として、
さらに根治性の高い方法として最も一般的に行われている方法です。
<手術方法>
こちらはメスを入れる手術です。
1~3カ所の痔核組織を剥離して根部の痔動脈を含む粘膜組織を糸で結紮し痔核を切除します。
それから開いた粘膜部を糸で半閉鎖する方法が一般的です。(結紮した糸が排便時に肛門の弛緩によって脱落することがよくありますが問題ありません)
<手術適応>
Goligher分類ではGrade Ⅱ・Ⅲ・Ⅳが適応となります。
-
保存療法で効果が無く、改善しても繰り返すもの。
-
ALTA注射療法の適応でない、またはALTA注射療法施行後の再発。
-
外痔核成分が大きい。
-
痔核より奥の直腸粘膜のたるみが強い場合などです。
外痔核を伴う場合、内痔核にALTA注射を行い、
外痔核は結紮切除を行う場合(併用療法)もあります(LE+A)。
<分離結紮法>
手術方法
分離結紮法は古典的痔核結紮術や振分け結紮法とも呼ばれ、痔核の根部を持続的に糸で緊縛して、局所の阻血性壊死により痔核を脱落させる方法です。
痔瘻(あな痔)
—シートン法による痔瘻根治手術—
肛門陰窩から細菌が入り込むと、肛門腺が化膿し、その炎症が肛門周囲に広がって膿が溜まり肛門周囲膿瘍になります。これが自然に破れる、または切開することにより、膿が排泄されます。そのまま治る場合もありますが、約半数の方は膿の管(瘻管)が残った状態となります。これが痔瘻です。比較的下痢の方に多い病気です。
<症状>
肛門周囲膿瘍の場合、38〜39℃の発熱、激しい痛み、腫れがみられます。痔瘻は、膿が出て下着が汚れてきます。
膿の出口はすぐに塞がりやすく、再び膿がたまり肛門周囲膿瘍と同様の症状になります。これを繰り返して行きます。MRIを撮影して複雑もしくは単純痔瘻の診断をします。
<治療法>
当院では根治術として日帰りでシートン法を行っています。
輪ゴムの医療器具を瘻管に通して、徐々に縛っていくことで瘻管と肛門括約筋を切開しながら治癒を同時進行で進めていく手術です。肛門括約筋にかかるダメージを最小限に抑えることができます。
徐々にゴムが緩んできますので締め直すために2〜3週間ごとに通院が必要です。切開をゆっくり行うことで、切開部分を治癒しながら治療できるため瘻管の状態によって治療期間は変わりますが、平均して2ヶ月ほどかかります。
<料金(保険診療・3割負担の場合)>
複雑痔瘻:約2万3000円
単純痔瘻:約1万4000円